KPMGコンサルティングの残業時間|働き方改革や激務を乗り越える方法
KPMGジャパンの一員であるKPMGコンサルティングは、約150か国以上に拠点を持つグローバルネットワークで培ってきた専門知識と経験を生かし、クライアントの経営課題解決を支援するコンサルティングファームです。
KPMGコンサルティングでキャリアを積むことに興味がある方の中には、KPMGコンサルティングの残業時間について知りたい方もいるでしょう。当記事では、KPMGコンサルティングは激務なのかどうかや、残業が多いと言われる理由などについて紹介します。
1. KPMGコンサルティングは激務?平均残業時間を解説
KPMGコンサルティングにおける平均的な残業時間は、全社平均で月21.22時間と言われています。求人情報では平均20時間程度とされており、シニアコンサルタント以外の職種では月50時間分の固定残業手当が給与に含まれているのが一般的です。
労働時間の管理については、週次でのモニタリングが行われ、必要に応じて上長による介入があるほか、労働時間改善委員会による月次の提言や協議が積極的に行われています。また、残業時間はプロジェクトによって大きく異なります。残業時間について気になる方は、採用面接で具体的な職務内容や勤務状況についても、しっかりと確認するとよいでしょう。
2. KPMGコンサルティングの残業が多い理由
KPMGコンサルティングでは、プロジェクトによって残業時間が大きく変動するため、一定の残業は避けられないことを現実として受け入れる必要があります。以下では、残業時間が増えやすい背景として、特に考えられる要因を掘り下げて解説します。
2-1. 少数精鋭かつ専門的な知識が求められるため
KPMGコンサルティングの社員数は、約1,900名と他の大手コンサルティングファームと比較しても少ないです。少数精鋭の環境では各社員が専門的な知識を持ち、多様なクライアントニーズに応じる必要があります。また、KPMGコンサルティングでは新卒採用にも力を入れており、新入社員に対しても長期にわたる専門スキルの育成を行っています。
新しいプロジェクトごとに異なる業界の専門知識を習得し、常に最新の情報を吸収するためには、大量の専門書籍や資料の研究が必要となるでしょう。また、社内外の専門家とのコネクションを築き、情報交換を行うことも大切になります。クライアントと対等に交渉を進めるための高度な専門性が必要とされ、それが結果的に残業時間の増加につながることが少なくありません。
2-2. 管理職の手が空くのが18時以降のため
KPMGコンサルティングでは、特にマネージャーやそれ以上の役職にある従業員は、クライアントや社内の会議、採用活動などで日中は非常に忙しいです。ジュニア層のコンサルタントが進めるタスクのレビューやフィードバックが夕方以降まで行えない状況も見られるようです。
そのため、ジュニアコンサルタントたちは自らの作業を進めつつ、上司のレビューが可能になる時間まで待たなければならないこともあります。結果、レビューが返って来たときにはすでに夜になっており、遅くまでの残業が発生します。
さらに、プレゼン資料などの作成においては、内容の正確性やデザインにおいても高いクオリティが求められるため、人によっては複数回の修正やブラッシュアップが必要になるでしょう。
2-3. 子会社との連絡に時差が発生するため
KPMGコンサルティングでは、グローバルなビジネス展開をしているため、多くの海外子会社と連携して業務を行っています。また、世界主要都市には日本語対応が可能なプロフェッショナルメンバーがおり、現地法人に対して会計監査や税務、リスクコンサルティングなど幅広いサービスを提供しています。
例えば、アメリカやヨーロッパ、アジアの各国の子会社やメンバーとのやり取りでは、日本の通常業務時間とは異なる時間帯に会議を設定する必要があります。時差の関係で、日本の夜20時以降に会議を行うことも少なくありません。
3. KPMGコンサルティングの残業に対する働き方改革
KPMGコンサルティングは、プロジェクトLEAP(Lead Evolution Accelerate Productivity)を通じて、2019年から社員と組織が輝くための働き方改革を実行しています。
プロジェクトLEAPは、職場環境の整備、効率的な働き方の促進、および互いにリスペクトし合い、ともに成長する文化の醸成を目指しています。以下に、この改革の一環として導入された(すでに導入済みの制度も含め)主要な制度を紹介します。
3-1. Flexible Work Program(FWP)
Flexible Work Programは、従業員のライフスタイルに応じて労働条件を柔軟に調整できる制度です。1日の労働時間を最大2時間短縮するオプションや、週に2日までの勤務を免除する選択肢を取ることが可能です。
育児や介護、学業など、個々のニーズに合わせた働き方を支援し、ワークライフバランスの改善を図っています。
3-2. リモートワーク勤務制度
従業員が在宅勤務を行うことを正式に認めるもので、特定の日数制限なく実施可能です。
従業員は自宅やその他の適した場所で業務を行うことができ、生産性の向上と柔軟な働き方が促進されています。
3-3. フレックスタイム勤務制度/Jump Friday
フレックスタイム制度では、従業員が自らの勤務時間を柔軟に設定できます。
加えて、「Jump Friday」では、毎週金曜日に15時以降に業務を終了し、プライベートの時間を充実させることが可能です。週末を前にした金曜日の労働時間を短縮し、週末の長いリフレッシュタイムを確保できます。
3-4. サバティカル休暇/ライフプラン支援休暇
サバティカル休暇は、長期間にわたって職業的スキルアップや個人的充電のために利用できる休暇で、最長1年間の休業が可能です。
ライフプラン支援休暇は不妊治療や家族の介護など、個人的な事情に対応するための休暇です。これらの休暇制度により、従業員は職業生活と個人生活のバランスを取りながら、生活の質を高めることができます。
3-5. Work from Home Program制度
Work from Home Program制度は、従業員が自宅から仕事をすることを可能にする制度です。特に通勤が難しい地域に住む従業員や、通勤自体が困難な従業員にとって有益です。
従業員は居住地域にかかわらず、KPMGでのキャリアを継続しやすくなります。
3-6. Away from Keyboard制度
Away from Keyboard制度は、在宅勤務中に家事や育児などの私的な理由での一時的な離席を認める制度です。
従業員は勤務時間中に必要に応じて離席することが許可されており、フレックスタイム制度と組み合わせて使用することで、より柔軟な働き方を実現できます。
3-7. ワーケーション制度
ワーケーション制度は、従業員が観光地やリゾート地で一定期間勤務することを許可する制度です。
業務の質を保ちつつ、仕事後や週末にリラックスや観光を楽しむことができ、仕事とプライベートの両方でリフレッシュが期待できます。
4. KPMGコンサルティングで残業・激務を乗り越える方法
KPMGコンサルティングでの残業や激務は、業務量の多さ、プロジェクトの要求水準の高さ、場合によっては人手不足など、複数の要因が組み合わさって生じています。
これらの状況を乗り越えるためにも、以下のポイントを意識してみましょう。
- 上司やチームメンバーに相談する
自分の仕事の進捗や困っている点を共有することで、支援やリソースの再分配を求めることができます。また、課題を共有することで、プロジェクトの担当範囲や期限に関して現実的な調整が可能になることもあるでしょう。 - 時間管理を見直す
業務の優先順位をつけ、重要なタスクに集中する時間を確保することで、効率的に業務を進めることができます。不要と思われる会議は、できる限り減らすのが好ましいです。 - 大きなタスクや目標は、小さなステップに分けて取り組む
継続的に小さな達成感を感じられ、モチベーションの維持につながります。小さな成功を積み重ねることで、全体の業務に対する圧倒感を減らし、一つひとつのタスクに集中しやすくなるでしょう。
まとめ
KPMGコンサルティングの残業時間は、プロジェクトによっても異なりますが、ある程度の残業は覚悟したほうがよいと言えます。
その一方で、KPMGコンサルティングはプロジェクトLEAPを通じて働き方改革を推進しています。プロジェクトLEAPの主要な目的は、効率的な働き方を促進し、社員の生産性を高めることです。これを実現するために、Flexible Work Program、リモートワーク勤務制度、フレックスタイム制度など、さまざまな勤務体系が導入されています。