デロイト トーマツ コンサルティングの平均年収|役職・年代別に紹介
デロイト トーマツ コンサルティングは、世界的に有名なコンサルティングファームで、その報酬体系も注目されています。専門的なスキルを持つコンサルタントは、案件の難易度や責任に応じて高い年収を得ています。コンサルティング業界でのキャリアを考える際、具体的な年収の情報を知りたい方も多いでしょう。
この記事では、デロイト トーマツ コンサルティングで働く人の平均年収を、年代や役職別に解説します。また、年収が高い理由や初任給、ボーナスの仕組み、福利厚生についても触れています。コンサルタントのキャリアに興味のある方や、転職を検討している方に向けて、さまざまな情報を紹介するので、ぜひご覧ください。
1.デロイト トーマツ コンサルティングで働く人の平均年収
コンサルティング業界のBig4の1社、デロイト トーマツ コンサルティングで働く人の年収は、約936万円です。なお、上記の年収は弊社が独自に実施した調査の結果のため、実際の年収とは異なっている場合があります。
国税庁の調査によると、2023年の日本の平均年収は約460万円です。日本の平均年収と比較すると、デロイト トーマツ コンサルティングで働く人の年収は高額であることが分かるでしょう。
デロイト トーマツ コンサルティングで働く人の年収が高い理由としては、企業独自の特徴や業界ならではの背景があります。ここでは、デロイト トーマツ コンサルティングで働く人の年収が高くなる理由を、具体的に解説します。
1-1.年収が高い理由(1)専門的な知識やスキルが求められるため
デロイト トーマツ コンサルティングの年収が高い理由の1つが、コンサルティング業務自体、専門的な知識やスキルが必要である点です。
コンサルティング業務は、クライアントの経営課題の洗い出しから解決まで、複雑で難易度が高い案件が中心です。コンサルティング業務の成果は、企業が持つノウハウより、担当者それぞれの能力に依存します。コンサルティング業は実力主義化する傾向が強く、人材に対する要求が高まるのは、そのためです。
コンサルティング業界では、実力・人材重視の傾向は仕事内容だけでなく、社員それぞれの収入にも反映され、デロイト トーマツ コンサルティングでも年収が高額化しています。
1-2.年収が高い理由(2)案件単価が高いため
デロイト トーマツ コンサルティングで働く人の年収が高い理由の1つが、案件単価の高さです。
コンサルティング業界においては、戦略・ビジネス系のコンサルティングのほうが、ITコンサルティングや業務系コンサルティングより案件単価が高くなる傾向があります。デロイト トーマツ コンサルティングの案件は、戦略・ビジネス系の案件比率が高いため、案件単価とともに社員の収入も高くなっています。
また、優秀な人材や実績が高い企業は案件単価が高くなるのが一般的です。デロイト トーマツ コンサルティングのような大手コンサルティングファームであれば、3か月程度で数千万円の費用が発生する案件もあります。その場合、複数人でプロジェクトにあたっても、担当者1人あたりの報酬は高額になります。
1-3.年収が高い理由(3)コンサルティング自体の利益率が高いため
コンサルティング自体、利益率が高いビジネスモデルであることも、各社員の年収が高くなる要因です。
コンサルティングは、知識やソリューションといった無形商材を提供する仕事のため、製造業や小売業のように、原材料費や仕入費用といった原価がかかりにくい点に特徴があります。そのため、コンサルティングの費用の内訳は、大部分が人件費として計上され、企業が得た利益の多くがコンサルティングにあたる社員への報酬に回されます。
優秀な人材であれば新規案件の獲得も比較的容易で、プロジェクトに携わらず利益を生まない期間はほとんどありません。案件単価の高さもあいまって、能力が高い人材に対してはさらに利益が高く還元されることが期待できます。
2.デロイト トーマツ コンサルティングで働く人の年代別年収
デロイト トーマツ コンサルティングには、幅広い年齢層の社員が在籍しています。下表に、デロイト トーマツ コンサルティングで働く人の収入を年代別に分けてまとめました。
年代 | 平均年収 |
---|---|
22歳~24歳 | 600万円 |
25歳~29歳 | 650万円 |
30歳~34歳 | 860万円 |
35歳~39歳 | 1,100万円 |
40歳~44歳 | 1,300万円 |
45歳~49歳 | 1,330万円 |
50歳~54歳 | 1,300万円 |
55歳~59歳 | 1,300万円 |
表内の平均年収は、弊社が独自に実施した調査の結果です。実際の年収とは異なる場合があります。
全国の労働者・年齢別の平均年収は、25〜29歳で約394万円、40〜44歳で約501万円です。一方、デロイト トーマツ コンサルティングでは、25〜29歳で650万円、40〜44歳で1,300万円です。両者を比較すると、デロイト トーマツ コンサルティングで働く人は同年代の平均年収と比べても高く、同年代の倍ほどの年収になるケースも見受けられます。
また、全国の労働者平均とデロイト トーマツ コンサルティングでは年齢に伴う年収の変動も異なり、全国平均の年収は年功序列的に55〜59歳まで上がり続けます。デロイト トーマツ コンサルティングでは、多くの社員が40代で年収のピークを迎える点も特徴です。
3.デロイト トーマツ コンサルティングで働く人の役職別年収
デロイト トーマツ コンサルティングでは、働く人の経験や能力に応じてさまざまな職位・役職が用意されています。年収への影響は、年齢より職位・役職のほうが大きい傾向があります。デロイト トーマツ コンサルティングの役職別年収は次の通りです。
役職 | 平均年収 |
---|---|
ビジネスアナリスト | 600万円 |
コンサルタント | 800万円 |
シニアコンサルタント | 1,000万円 |
マネージャー | 1,300万円 |
シニアマネージャー | 1,500万円 |
ディレクター | 2,500万円 |
パートナー | 2,000万円以上 |
上の表で示した平均年収は、弊社が独自に実施した調査の結果です。実際の年収とは異なる場合があります。また、デロイト トーマツ コンサルティングでは役職別の年収レンジが大きく、同じ役職・職位でも年収に差が生じるケースもあることを念頭に置いてください。
ここでは、デロイト トーマツ コンサルティングの役職について解説します。仕事内容に応じてどれほどの収入があるか、デロイト トーマツ コンサルティングでの働き方をイメージするための参考にしてください。
3-1.ビジネスアナリスト
新卒者や他業種からの転職者は、多くの場合、最初にビジネスアナリストとして働きます。入社後1~2年はビジネスアナリストとして過ごすケースがほとんどです。
ビジネスアナリストはプロジェクトにはメンバーとして参画し、マネージャーなど上位職の指示に従ってコンサルティングに必要な作業に携わります。仕事の指示はOJT形式で受けるのが一般的です。ビジネスアナリストの作業には、高い効率と品質が求められます。
ビジネスアナリストとして働く期間は、先輩や上司とのOJTで仕事を覚えていける上、研修も盛んに実施されるなど、恵まれた支援のある時期です。Big4への転職には大いに不安もあるかもしれませんが、ビジネスアナリストの間にスキルアップが期待でき、業務経験の有無にかかわらず意欲的にチャレンジできます。
3-2.コンサルタント
コンサルタントは、主に入社3~4年目の社員や中途採用の業界経験者が就く役職・職位です。
コンサルタントは、ビジネスアナリストへの指示や成果物の作成、仮説の構築などが主な仕事です。ビジネスアナリストより広い裁量を認められるため、対応指示がなくても一部領域のタスクであれば自力で進められる能力が求められます。
ビジネスアナリストから引き続き、コンサルタントにも多くの研修が用意され、スキルや知識を高められる環境も整っています。
3-3.シニアコンサルタント
シニアコンサルタントは、入社4~5年目の人材がコンサルタントから昇格して就く役職・職位です。シニアコンサルタントは自分自身の業務だけでなく、チームやプロジェクト内で管理・運営する立場としての役割を期待されます。小規模のプロジェクトであれば、リーダーに抜擢される場合もあります。
シニアコンサルタントは、コンサルティングのスタッフとしては最も高い職位です。管理・運営の役割を担うと言ってもまだ管理職ではなく、コンサルティングとマネジメントの実務経験を積みながら管理職になる準備を行います。
3-4.マネージャー
マネージャーは管理職の1つで、プロジェクト全体の責任者です。マネージャーは現場でのコンサルティングだけでなく、プロジェクトを通じた人材育成や新規契約の獲得などの営業も行います。コンサルティングに携わる際には、それぞれが高い専門性を持ち、特定の分野に特化して対処する点も特徴です。
マネージャー以降の役職・職位は、管理職として裁量労働制が適用されています。デロイト トーマツ コンサルティングでは、マネージャー以降も研修を受ける機会が少なくありません。マネージャーなどの管理職は特に、昇進するごとに研修が用意されています。
3-5.シニアマネージャー
シニアマネージャーは、マネージャーと同様、プロジェクト全体の責任者としてコンサルティングを行う管理職です。
シニアマネージャーは、マネージャー以上に高く売上に貢献することを求められ、より難易度の高いプロジェクトを任されるケースも増えます。また、プロジェクトの遂行に加えて、営業面でもマネージャーより高いノルマが設定されています。
3-6.ディレクター
ディレクターは、マネージャー・シニアマネージャーより上位の管理職で、デロイト トーマツ コンサルティングではプロジェクトの総責任者です。ディレクターは一般企業で言うところの部長に相当します。
シニアマネージャーまでは主にプロジェクトの成功に注力して売上を得る立場でした。ディレクター以降の役職・職位は、現場でのコンサルティングやミーティングに参加する機会は少なく、企業全体を考えて動く必要があります。トラブルなどの際に責任を取るのも、ディレクター以上の役職・職位者の役割です。
3-7.パートナー
パートナーは、ディレクターと同様、案件一つひとつではなく企業全体を見据えた動きで活躍します。現場でコンサルティングにあたることはあまりありません。
パートナーがディレクターと大きく異なる点は、ただデロイト トーマツ コンサルティングで働くだけでなく、デロイト トーマツ コンサルティングの共同経営者となる点です。パートナーはデロイト トーマツ コンサルティングの経営者となり、文字通りデロイト トーマツ コンサルティングのビジネスパートナーとして行動します。
4.デロイト トーマツ コンサルティングで働く人の初任給
ここでは、デロイト トーマツ コンサルティングで働く人の初任給について解説します。次の表は、デロイト トーマツ コンサルティングが公表している新卒の基本給の一覧です。
学歴 | 平均年収 |
---|---|
学卒 | 5,802,000円 |
院卒(修士) | 6,000,800円 |
院卒(博士) | 6,201,200円 |
出典:デロイト トーマツ コンサルティング「新卒採用 | 採用情報 | コンサルタント職」
厚生労働省の調査では、2024年の新規学卒者の平均年収は、学卒で約285万円、院卒で約331万円であると明らかにされています。デロイト トーマツ コンサルティングでは、初任給も入社後の年収と同じく、一般的な金額と比べると高水準です。
出典:厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査 結果の概況」
デロイト トーマツ コンサルティングでは、初任給の年収は、学卒・修士の院卒・博士の院卒の間にはそれぞれ約20万円、学卒と博士の院卒には約40万円の差があります。デロイト トーマツ コンサルティングでは、大学在籍中の学部や専攻の種類は選考や入社後の待遇に影響せず、学部や専攻で初任給は変動しません。
5.デロイト トーマツ コンサルティングで働く人のボーナス・賞与
ボーナス・賞与の有無や支給回数も、就職・転職時には気になるポイントです。デロイト トーマツ コンサルティングでは、ボーナス・賞与は2月と8月の年2回支給しています。
2回のボーナスは、それぞれ支給額の決定方法が異なる点が特徴的です。8月のボーナスは役職・職位に応じた金額を一律で支給され、同じ役職・職位であれば同額です。一方、2月のボーナスは、役職・職位ごとの金額に加えて個人のパフォーマンスに連動した額を支給するため、同じ役職・職位でも一人ひとりで支給額が異なります。
ボーナス・賞与の査定は、プロジェクトごとにマネージャーが評価し、各プロジェクトでの評価を総合して最終的な支給額を決定します。ボーナス・賞与支給額の目安は、上位10%の優秀な社員は基本給の30%前後、一般的な社員であれば基本給の10%弱です。
6.デロイト トーマツ コンサルティングで働く人の福利厚生
就職や転職に際して気になるポイントが、福利厚生ではないでしょうか。デロイト トーマツ コンサルティングでは、福利厚生として次のような制度を実施しています。
- 各種社会保険(健康保険・介護保険・厚生年金保険・雇用保険・労災保険)
- 退職金制度
- 通勤手当・出張手当
- 各種休暇制度(有給・年末年始休暇・育児休暇など)
- 定期健康診断
- 慶弔金
- カフェテリアプラン
- 自己研鑽費用
- 提携保育園
基本的な福利厚生はそろっている一方で、家賃補助はありません。ただし、基本給の高さから家賃補助がなくても困らないという声も挙がっています。
特徴的な福利厚生が「カフェテリアプラン」です。カフェテリアプランでは、1年に1度付与されるポイントにより、旅行やレジャーだけではなく、育児や介護など幅広い用途で福利厚生のサービスを使えます。
また、デロイト トーマツ コンサルティングは出産・育児へのサポートに意欲的です。提携の保育園を利用できる上、出産した女性従業員には8週間の産後休暇・配偶者が出産した従業員には5日間の配偶者出産休暇などが用意されています。
7.デロイト トーマツ コンサルティングへの転職が難しい理由
デロイト トーマツ コンサルティングは年収が高く待遇の良い職場として人気が高く、転職難易度が高い企業です。ここでは、デロイト トーマツ コンサルティングへの転職が難しい理由を解説します。転職が難しい原因をクリアし、転職の成功率を高めましょう。
7-1.コンサルティング業務が難しい
デロイト トーマツ コンサルティングへの転職が難しい理由としては、コンサルティング業務そのものが難しい点が挙げられます。
コンサルティング業務は、クライアントからのヒアリングや仮説の構築、結果の分析など、多岐にわたる業務を高い精度で遂行する必要があります。多くの仕事を並行してこなす点から、コンサルティング業務は体力的に激務であることが多い仕事です。
また、クライアントが抱える課題を多角的にとらえて解決するためには、知識だけでなく高度な理論的思考力が要求されます。このように、コンサルティング業務には知力・体力・実行力と、多くの能力を高水準で求められる点に難しさがあると言えるでしょう。
7-2.ケース面接が難しい
デロイト トーマツ コンサルティングでは、面接で「ケース面接」を採用しています。ケース面接への対応の難しさも、デロイト トーマツ コンサルティングへの転職の難しさにつながっています。
ケース面接とは、明確な答えが存在しないテーマに対し、制限時間内に論理的な答えを組み立てて回答する面接です。一般的な形式の面接とは異なり、論理的思考力やコミュニケーション能力などが問われます。
ケース面接は、その場しのぎの方法で対応できる面接ではありません。ケース面接を通過するには、日頃からケース面接の形式や傾向を学び、面接対策を練る必要があります。ケース面接の主な形式や基本的な例題については、本や動画などで勉強できます。
また、柔軟な思考を身につけられるように、ケース面接に特化した勉強だけでなく、日常の中で論理的に物事をとらえる習慣をつけましょう。
ケース面接には、「売上を伸ばす方法を考えよ」「満員電車の解消法を考えよ」といった、答えが1つではない難しいテーマが出題されることも多々あります。複雑な問題を効率よく論理的に落とし込むには、事象を分解したり数値化したりする考え方が有効です。日頃から事象の分解や数値化を意識して思考する癖をつけるとよいでしょう。
まとめ
デロイト トーマツ コンサルティングの平均年収は、専門知識や高度なスキルが求められ、案件単価も高いことから、他業界と比べても高い水準にあります。また、年代や役職によって年収は異なり、キャリアが進むにつれて報酬も増加します。
デロイト トーマツ コンサルティングは、ケース面接などがあることにより、入社への難易度が高く、しっかりとした事前の準備が欠かせません。デロイト トーマツ コンサルティングへの転職を考えている場合は、しっかりと準備を行った上で転職活動を始めましょう。