デロイトトーマツコンサルティングの中途面接|対策のポイントを解説
デロイトトーマツコンサルティング(DTC)は、デロイトトーマツグループの一員として、グローバルに展開する大手コンサルティングファームです。デロイトトーマツコンサルティングでは積極的に中途採用をしており、近年の採用人数は新卒採用人数を大幅に上回っています。デロイトトーマツコンサルティングへの転職を成功させるためには、書類選考・適性検査・WEBテスト・面接への対策が必要です。
当記事では、デロイトトーマツコンサルティングへの転職を検討している人に向けて、中途面接の難易度や通過率、流れ、対策などを紹介します。
1.デロイトトーマツコンサルティング(DTC)とは?
デロイトトーマツコンサルティング(DTC)とは、日本トップクラスの総合コンサルティングファームの名称です。世界中にビジネスネットワークを構築しているデロイトの一員であり、日本ではデロイトトーマツグループの傘下にあります。
デロイトトーマツコンサルティングの強みは、デロイトおよびデロイトトーマツグループが擁する監査・法務・税務など幅広く国際的なサービスを活用できる点です。提言から戦略の実行まで一貫したコンサルティングで多様なクライアントをサポートしています。
2.デロイトトーマツコンサルティングの中途面接
デロイトトーマツコンサルティングへの転職を成功させるには、中途面接の実態を知ることが重要です。ここでは、転職を希望している人に向け、中途面接の難易度から回数、内容傾向について詳しく解説します。
2-1.デロイトトーマツコンサルティング中途面接の難易度
デロイトトーマツコンサルティングは積極的に中途採用をしています。下記は、2021年度から2023年度までの採用人数とグループ人員数をまとめた表です。
中途採用人数(人) | 新卒採用人数(人) | グループ人員数 | |
---|---|---|---|
2023年度 | 3,920人 | 1,029人 | 約20,000人 |
2022年度 | 2,744人 | 806人 | 約17,000人 |
2021年度 | 1,397人 | 676人 | 約15,500人 |
出典:デロイトトーマツ「Impact Report 2022」
出典:デロイトトーマツ「Impact Report 2021」
表の通り、デロイトトーマツコンサルティングにおける近年の中途採用人数は、新卒採用人数を大幅に上回っています。転職の難易度は高いものの、中途採用人数は飛躍的に伸びているため、しっかりと準備して中途面接に臨めば採用される見込みも高くなるでしょう。
第二新卒であっても転職は可能です。応募時点で社会人としての基礎的なスキルを有し、コンサルタントとしての適性を備えていれば、転職できるチャンスは大いにあります。
2-2.デロイトトーマツコンサルティング中途面接の通過率
デロイトトーマツコンサルティングは中途面接の通過率を公表しておらず、正確な数値は不明です。しかし、外資系コンサルティングファームにおける中途面接の通過率は通常、20~30%程度と言われています。
デロイトトーマツコンサルティングの通過率はほかの外資系コンサルティングファームとおおむね同じだと想定すると、10人中2~3人のみが中途面接を通過できます。通過率は決して高くないため、中途面接には十分な準備が必要です。
2-3.デロイトトーマツコンサルティング中途面接の回数
デロイトトーマツコンサルティングの中途面接の回数は2~3回程度です。書類選考を通過した人のみが面接に進み、1次面接、2次面接と回数を重ねていくというプロセスです。回数は部署や職種、面接内容によって変わる場合もあります。
面接の段階に応じて面接官は入れ替わります。たとえば、1次面接は該当部署のマネージャークラス、最終面接は役員(パートナー)クラスがそれぞれ面接官を担当することが一般的です。各面接における面接官の人数は2~3人程度です。
2-4.デロイトトーマツコンサルティング中途面接の内容傾向
デロイトトーマツコンサルティング中途面接の内容傾向は、志望動機や経験、将来の展望などです。たとえば、「なぜデロイトトーマツコンサルティングで働きたいのか」といった志望動機は、尋ねられる可能性が比較的高い質問の1つです。
また、現職での経験や成し遂げた業績、入社後の展望、自分の強みや弱みなどに関する質問も内容傾向に含まれます。面接官からのさまざまな質問に自信を持って回答できるよう、想定問答などで練習することが大切です。
3.【ステップ別】デロイトトーマツコンサルティングの中途面接における主な流れ
デロイトトーマツコンサルティングの中途面接における主な流れについて解説します。ステップ別に内容や特徴を以下の表にまとめました。
1 | ES提出 |
---|---|
デロイトトーマツコンサルティングの公式ホームページで募集しているポジションにESを提出します。転職エージェントを介してESを提出することも可能です。 | |
2 | 書類選考 |
職務経歴・実績・自己PR・取得資格などを記載した履歴書や職務経歴書、ポートフォリオなどを提出し、書類選考を受けます。グローバルな企業のため、英語力のアピールも有利です。 | |
3 | 適性検査・WEBテスト |
中途採用に対しては適性検査・WEBテストを設けているケースもあります。一般的にはSPIと呼ばれるテストで、組織や職務への適応性、人柄などを見極める「性格検査」と、基礎能力を測る「能力検査」があります。 | |
4 | 1次面接 |
1次面接では、デロイトトーマツコンサルティングへの志望動機やコンサルティングファームで働きたい理由などが尋ねられます。 | |
5 | 2次面接(ケース面接) |
部門によっては2次面接でケース面接をすることが多いでしょう。「ある家電店の売上を推定し、売上を倍増させるには」など具体的な設問の出題を受け、与えられた時間内に解決策を考え、プレゼンを行います。面接官からの指摘や批判に柔軟に対応できる能力も必要です。 | |
6 | 最終面接 |
最終面接まで残った場合、採用される確率は比較的高いでしょう。パートナークラスの面接官に対し、志望動機や応募部署への適性を、簡潔で的確に伝えることが重要です。面接官からの質問後には、応募者からの質問時間も設けています。 | |
7 | 内定・採用条件提示 |
内定が決まると採用条件が提示され、自分が希望する採用条件を受け入れてもらうように交渉できます。転職エージェントに条件交渉を依頼することも可能です。 |
上記は、あくまでも大まかな流れです。適性検査の有無、面接の回数や内容は、職種などによって異なります。
4.デロイトトーマツコンサルティングの中途面接で合格するための事前準備
デロイトトーマツコンサルティングの中途面接で合格するためには、事前準備をしっかりとする必要があります。以下では、事前準備に欠かせない4つのポイントについて詳しく解説します。
4-1.企業理解を深める
企業理解を深めることで志望動機や企業への適性が明確となり、通過率を高められます。デロイトトーマツコンサルティングの社風、ビジネス戦略で重視している点などを深く理解すると、入社後の自分がいかに活躍できるかを強くアピールできます。
たとえば、チームワークはデロイトトーマツコンサルティングが重視する社風の1つです。自己PRでは、コミュニケーション能力や統率力を持ち合わせ、チームワークを大切にしている旨を強調することも有効です。
4-2.自己分析をする
デロイトトーマツコンサルティングの中途面接で合格するには自己分析が欠かせません。中途面接の前には、志望動機をはじめ、自分の強みや弱み、これまでの実績や将来の展望などを明らかにしておく必要があります。自己分析は表層的に行わず、あらゆる角度から深堀りしましょう。
自己分析をしっかりとしていれば、いかなる質問にも窮せず、回答できます。結果、偽りやブレのない、自社に適した人材であることが面接官にも伝わるでしょう。
4-3.求める人物像を把握する
デロイトトーマツコンサルティングが求める人物像に、自分が合致しているのかも確かめましょう。両者がかけ離れていては、合格する見込みは高くないでしょう。求める人物像を把握し、自分をより近づける努力も必要となります。
デロイトトーマツコンサルティングが求めるのは、特定の領域に対する専門性が高く、グローバルなマインドセットと長期的なビジョンを持った人物です。チーム一丸となって日本企業を良くしたいという熱意も欠かせません。
4-4.転職エージェントを利用する
デロイトトーマツコンサルティングの中途面接に合格するには、転職エージェントの利用もおすすめです。経験豊富な転職エージェントから、提出書類の添削や模擬面接の実施といったサポートを受けられるためです。一般公開されていない非公開の求人情報を紹介してもらえ、選択の幅が広がる点もメリットです。
デロイトトーマツコンサルティングから内定を受けた場合、条件交渉の代行も転職エージェントに依頼できます。自分自身で条件交渉を行うよりも有利な条件を引き出せる可能性も高いでしょう。
5.デロイトトーマツコンサルティングの中途面接|書類選考への対策
中途面接では書類選考によって面接に進めるか決まるため、書類で見られる内容を知り、対策をとることが肝心です。デロイトトーマツコンサルティングの書類選考で見られる主な内容は志望動機や経験です。
履歴書や職務経歴書を作成する際は、なぜデロイトトーマツコンサルティングで働きたいかという志望動機を明確に記述します。現職で積み重ねた業績を説明するとともに、自分がいかに募集中の職種に適しているかをアピールすることも大切です。
自己PRは具体的なエピソードを交え、熱意が伝わるような記述を心がけます。自己PRでライバルと差別化を図ることで、選考者の目にとまりやすくなります。仕事に役立つ英語力や取得資格のアピールも効果的です。
6.デロイトトーマツコンサルティングの中途面接|適性検査・WEBテストへの対策
デロイトトーマツコンサルティングの中途面接では、適性検査としてWEBテストが行われることがあります。適性検査とは一般的にSPIと呼ばれるテストです。性格検査と能力検査から構成されています。
性格検査では、日頃の行動や考え方に関する約300問の質問に回答します。被験者の回答から、組織や仕事への適応性や人となりを知ることが可能です。基本的に、特別な対策をとるのが困難なため、直感で回答するよう推奨されています。
能力検査では、仕事に必要な能力を見極めます。見極める能力とは、具体的には言葉の意味や文章の要旨を正しく理解できる能力・論理的な思考力・数的な処理能力などです。参考書で検査内容を学ぶとともに、出題の傾向を調べておくと、好結果に結びつきます。
7.デロイトトーマツコンサルティングの中途面接|面接への対策
デロイトトーマツコンサルティングの中途面接では、面接の段階ごとに意識したほうが良いポイントがあります。一般的な面接への対策に加え、デロイトトーマツコンサルティングならではの面接スタイルに備えることが重要です。
以下では、面接の段階ごとに内容・出題傾向・対策の観点からポイントを解説します。
7-1.1次面接への対策
1次面接は、ESや履歴書などを基にした一般的な形式の面接です。デロイトトーマツコンサルティングへの志望動機やコンサルタントになりたい理由、現職での経験や業績、自分の強みや弱みなどが質問される傾向にあります。
ESや履歴書と質問への回答に矛盾を生じさせないため、記述した内容はしっかりと覚えておきましょう。どのような質問に対しても、長々と前置きをせずに簡潔で理論的に回答することを心がけます。
質問に対する回答をさらに深堀りする質問を受けるケースもあるため、自己分析を行い言葉で表現できるように備えましょう。想定問答などで事前準備をすると自信を持って回答でき、面接官に与える印象も良くなるでしょう。
7-2.2次面接(ケース面接)への対策
デロイトトーマツコンサルティングの2次面接では、ケース面接が行われる傾向があります。ケース面接では、課題が出され、規定の時間内に解決策を導いてプレゼンを行うことが一般的です。プレゼンに対する質問や指摘への対応力も問われます。
ケース面接の課題は、具体的なビジネスの展開方法や時事問題などです。参考資料として新聞記事が渡されるケースもあります。プレゼンを見た面接官から解決策の不備などをつく指摘や質問を受ける可能性は高く、プレゼンした後も気は抜けません。
2次面接への対策としては、日頃から物事に対する自分の考えをまとめ、分かりやすく説明する習慣をつけることです。参考書で学んだり、転職エージェントなどを利用して模擬面接をしたりする方法もおすすめです。
7-3.最終面接への対策
最終面接まで進めれば、内定を得られる見込みは高くなります。ただし、募集している部署とのミスマッチがうかがえる言動を最終面接で行えば、不合格となる可能性もあるため、最後まで慎重に対応しましょう。
最終面接を担当するのは役員(パートナー)クラスで、実務経験の内容や志望動機、入社後のビジョンといった質問がされます。パートナークラスは多忙な中面接官を担っているという背景もあり、面接の内容は基本事項の確認程度となる傾向です。
質問へは、無駄なくテンポの良い回答が好感を持たれます。的を射た端的なコミュニケーションができる能力もビジネススキルの1つです。想定問答を繰り返し行い、面接に備えることが大切です。
8.デロイトトーマツコンサルティングの中途面接|採用条件交渉への対策
採用条件交渉の具体的な項目は、年収・ポジション・入社時期などです。採用条件交渉は面接中や内定通知後の適切なタイミングで行います。自分の市場価値を正確に認識し、入社後に貢献できることをアピールするのがポイントです。
採用条件交渉の仕方を誤ると、内定が取り消されるリスクも伴います。採用条件交渉に不安がある人には、転職エージェントの活用をおすすめします。転職のノウハウを知り尽くした専門家が、採用条件交渉を有利に運んでくれるでしょう。
9.デロイトトーマツコンサルティングへの転職が向いている人は?
デロイトトーマツコンサルティングへの転職が向いている人には、いくつかの共通した特徴があります。以下では、6つの特徴を取り上げて紹介します。自分自身と比較して、転職活動の参考にしてください。
9-1.知的好奇心旺盛な人
知的好奇心旺盛な人はデロイトトーマツコンサルティングへの転職に向いています。多種多様なプロジェクトに貢献するには、知見を広げる必要があるためです。各業界の動向や国内外の時事問題などへの関心を持ち続ける必要もあります。
常に知的好奇心を持って最新の情報を収集し続け、収集した情報を分析し、仕事に生かしていくことが求められます。
9-2.高収入を目指している人
デロイトトーマツコンサルティングの収入は他社と比べると高い傾向にあり、高収入を目指している人は転職に向いています。同社が国内トップクラスのファームであり、売上を社員に還元して優秀な社員を確保していることが高収入につながっています。
収入の額を左右するのは年齢や社歴ではなく実力です。成果を出せば賞与や昇給につながり、より一層の高収入を目指せるでしょう。
9-3.幅広いスキルを身に付けたい人
幅広いスキルを身に付けたい人には、デロイトトーマツコンサルティングは向いています。先輩からの指導やプロジェクトへの参加を通し、コンサルティングとしてのスキルを身に付けるという教育制度も充実しています。
戦略の立案にはじまり実践の支援に至るまで、いくつものプロジェクトに関わる中で、論理的な思考力やコミュニケーション能力など幅広いスキルを身に付けられます。
9-4.優秀なメンバーと働きたい人
優秀なメンバーと働きたい人にとっては、デロイトトーマツコンサルティングは向いている職場と言えるでしょう。社内の先輩や同僚、クライアントなど、多くの優秀なメンバーとともにバラエティーに富んだプロジェクトに携われるためです。
それぞれに高い専門性を持つメンバーからは学ぶことが多く、自分のスキルや資質を高め、成長できるというメリットもあります。
9-5.クライアントとともに理想を追求できる人
クライアントの業種は多岐にわたり、ニーズもさまざまです。しかし、いずれのクライアントもデロイトトーマツコンサルティングに高い期待を寄せ、理想をともに追求できると信じている点では共通しています。
クライアントの理想を実現するには、クライアントの現状、業界や市場の動向を見極め、最適な施策を考え出すことが必要です。こうしたタスクに魅力ややりがいを感じる人はデロイトトーマツコンサルティングへの転職に向いています。
9-6.キャリアパスを積みたい人
デロイトトーマツコンサルティングは「アワーグラス・モデル」と呼ばれるキャリアパスを採用しています。入社後早いうちから多彩なプロジェクトに参加しながら、コンサルタントとしての基礎的なスキルを身に付けることが可能です。
社歴を重ね、専門性を深めるにつれてポジションが高くなり、最終的にはアドバイザリーを行うパートナーなどへの就任も目指せます。キャリア志向の高い人に向いていると言えるでしょう。
まとめ
デロイトトーマツコンサルティング(DTC)の中途採用では、企業理解の深さや自己分析の徹底が重要です。デロイトトーマツコンサルティングの社風やビジネス戦略を理解し、自分の強みや弱みを明確にすることで、面接対策や書類選考の準備が効果的になります。
デロイトトーマツコンサルティングが求める人物像に合致するためには、高い専門性やグローバルな視点を持つことが求められます。より多角的に書類や面接への対策をしたい場合は、提出書類の添削や模擬面接の実施といったサポートが受けられる転職エージェントの利用も検討しましょう。