
EYストラテジー・アンド・コンサルティングの年収・転職のポイント
コンサルタントとして働きながら着実にスキルアップを図る中で、「今より収入・待遇がよいコンサルティング会社に転職したい」と考える人も多いでしょう。さらなる高みを目指すコンサルタントの転職先としておすすめなのが、「BIG4」と呼ばれる巨大な総合系ファーム4社です。その中でも「EYストラテジー・アンド・コンサルティング」は中途採用も積極的に行っており、若手からベテランまで幅広い年代での転職実績があります。
そこで今回は、EYストラテジー・アンド・コンサルティングの概要から役職・年齢別の平均年収、さらに転職を成功させるために必要なスキル・経験、転職を成功させるためのポイントまで詳しく紹介します。
1. EYストラテジー・アンド・コンサルティングとは?
EYストラテジー・アンド・コンサルティング(EYSC)とは、「BIG4」と呼ばれる世界4大コンサルティングファームの一角を占める総合コンサルティング会社です。EYアドバイザリー・アンド・コンサルティング株式会社とEYトランザクション・アドバイザリー・サービス株式会社が2020年10月に経営統合したことによって設立されました。
イギリス・ロンドンを本拠地として世界各国のコンサルティングサービス事業を展開する「EY(Ernst&Young:アーンスト・アンド・ヤング)グループ」はメンバーファーム制を採用しており、日本におけるメンバーファームは「EY Japan」と呼びます。
EYストラテジー・アンド・コンサルティングは、「EY Japan」の構成会社の1つとして、新日本有限責任監査法人などと連携しながら経営コンサルティングや戦略的トランザクション支援を主としたサービスを提供しています。
東京都千代田区の東京ミッドタウン日比谷に本社を構えており、2024年5月1日時点の社員数は4,507人となっています。
1-1. EYストラテジー・アンド・コンサルティングのパーパス
EYストラテジー・アンド・コンサルティングでは、2013年にパーパス(存在意義)として「Building a better working world ~より良い社会の構築を目指して」を掲げています。
世界が急速に変化する近年、EYストラテジー・アンド・コンサルティングはパーパスを「進むべき方向を示す北極星のような存在」と考え、あらゆる⾏動の中⼼に据えています。世界中に存在する約40万人ものメンバーが掲げるそれぞれのパーパスが組織のパーパスと連動し、業務を通して自らの目的を追求することで、よりよい社会の構築を目指しています。
EYストラテジー・アンド・コンサルティングはパーパスを目に見える形で示すだけでなく、それを具体的に実践するために「長期的価値(LTV)」の創出活動にも取り組んでいます。
1-2. EYストラテジー・アンド・コンサルティングの勤務制度
EYでは、「フレキシビリティ」と「リモート」の2つをキーワードに、「EYフレリモ」を推進しています。EYフレリモは、新時代を見据えた働き方改革を通してサービスの質の向上・社員の生活の充実と向上・地域社会への価値の提供を実現するための施策です。
そして、EYストラテジー・アンド・コンサルティングではEYフレリモの方針にもとづき、「コアタイムのないフレックスタイム制」と「リモート勤務」を積極的に導入しています。
これまでに行った勤務制度にかかわる主な取り組みとしては、「EYフレリモ移住プログラム」が挙げられます。2020年11月から2022年5月にかけて、アンバサダーとして選出された28人の社員が全国約20道府県に移住した結果を踏まえ、「遠隔地リモート勤務」という新たな働き方の運用も開始しました。これにより、遠隔地採用や育児・介護といった家族事由を有する社員がオフィスから離れた場所で勤務することが可能となりました。
1-3. EYストラテジー・アンド・コンサルティングの仕事内容
EYストラテジー・アンド・コンサルティングの仕事内容は、役職によって大きく異なることが特徴です。
ここでは、EYストラテジー・アンド・コンサルティングが定める「コンサルタント」「シニアコンサルタント」「マネージャー」「ディレクター/シニアマネージャー」「パートナー/アソシエイトパートナー」の役職別に業務内容を紹介します。
(1)コンサルタント
市場リサーチ・データ分析・資料作成・エキスパートインタビュー・クライアント折衝などさまざまな業務に対応します。クライアント折衝においては、コンサルタントの中でも比較的経験やスキルのある社員が中心に行います。
(2)シニアコンサルタント
コンサルタントよりもクライアント対応が徐々に増えるほか、プロジェクト全体の管理やクライアント資料の作成・確認、さらにクライアントへの最終報告も担います。
(3)マネージャー
コンサルタントとシニアコンサルタントの上司として、マネジメントやプロジェクトの管理・運営、さらに若手コンサルの育成など、管理職ならではの業務を担当します。
(4)ディレクター/シニアマネージャー
マネージャーよりも売上を含む経営全体のコミットメントを大きく求められることから、クライアント対応の比重が高くなります。重要なプロジェクトのデリバリーや経営視点での社内活動など、責任の大きい業務も任せられます。
(5)パートナー/アソシエイトパートナー
EYストラテジー・アンド・コンサルティングの最高職務者として、クライアントへの営業から経営方針の決定まで、会社役員としての活動を担当します。社内外からの高い信頼と評価を受けた社員のみが到達できる役職です。
2. EYストラテジー・アンド・コンサルティングの年収
EYストラテジー・アンド・コンサルティングの給与制度はほとんどが年俸制で、オファー時点で提示された年俸の12分の1または14分の1が毎月支払われます。14分割で月給が支払われる場合、残りの14分の2は年2回の賞与(ボーナス)として支払われることが基本です。
また、EYストラテジー・アンド・コンサルティングで働いた場合の年収も、役職や年齢によって大きく異なります。中途入社の場合は、経験や能力を考慮した上で年俸が決定されます。
ここからは、EYストラテジー・アンド・コンサルティングの平均年収を役職・年齢別にそれぞれ詳しく説明します。
2-1. 役職別の年収
EYストラテジー・アンド・コンサルティングの平均年収は約900万円程度とされています。しかし、実際は役職によって数百万円程度の差異があります。
下記は、EYストラテジー・アンド・コンサルティングの役職別平均年収データです。
役職 | 給与 | 目安年次 |
---|---|---|
コンサルタント | 550万~700万円 | 1~3年目 |
シニアコンサルタント | 700万~1,000万円 | 3~6年目 |
マネージャー | 1,000万~1,300万円 | 6~10年目 |
シニアマネージャー | 1,300万~1,500万円 | 10年目~ |
ディレクター | 1,500万~2,000万円 | 実力次第 |
アソシエイトパートナー | 1,800万~2,500万円 | 実力次第 |
パートナー | 2,500万円~ | 実力次第 |
EYストラテジー・アンド・コンサルティングに入社した社員の最初の役職は、基本的にコンサルタントです。新卒や第二新卒での入社など、完全な未経験者の場合は資料や会議録の作成、情報収集を主に担当する「アナリスト」から始まる可能性もあります。いずれにおいても、平均年収は550万~700万円程度です。
入社から3~5年経ち、ある程度コンサルタントとしての能力が身についたら、シニアコンサルタントに昇格します。実力次第では、入社5年目程度で1,000万円近い年収を得られます。
シニアコンサルタントとして3~5年程度働き、マネジメント能力が身についたら、マネージャーやシニアマネージャーへの昇格も期待できます。マネージャー・シニアマネージャーの平均年収は1,000万円越えが基本です。
シニアマネージャーまでの役職には目安となる経験年数が示されているものの、以降のディレクターやアソシエイトパートナー・パートナーは実力次第での昇格となります。
2-2. 年齢別の年収
EYストラテジー・アンド・コンサルティングの年齢別平均年収は、下記の通りです。
年齢 | 給与 |
---|---|
20代後半 | 550万~850万円 |
30代前半 | 600万~1,200万円 |
30代後半 | 800万~1,200万円 |
40代前半 | 900万~1,400万円 |
40代後半 | 1,300万~3,500万円 |
50代~ | 1,400万~4,000万円 |
20代後半は、コンサルタントの役職から働き始めることが多いことから、平均年収は最も低い水準となっています。しかし、「案件獲得数が多い」「コンサルタントとしての経験がある」など実力・経験によっては30代後半の社員の最低年収よりも高い収入を得られます。
また、年齢が上がるにつれて年収もアップしている点や、年収水準が最も高いのは50代以降である点から、EYストラテジー・アンド・コンサルティングは経験と能力にもとづく適切な給与額を設定していることも分かります。
3. EYストラテジー・アンド・コンサルティングへの転職が向いている人
EYストラテジー・アンド・コンサルティングへの就職・転職が向いている人の特徴は、下記の通りです。
(1)学ぶことが好きな人
コンサルタント業務では、課題解決に向けたヒアリングから始まり、論理的思考にもとづいた戦略を立てます。クライアントが納得する解決策を提案するためには、クライアントの業界・業種に関する専門知識が欠かせません。自身が携わったことのない業界でも、興味をもって積極的に学べる人は、EYストラテジー・アンド・コンサルティングへの転職が向いています。
(2)忍耐力がある人
たとえ大手のコンサルティングファームであっても、課題解決に向けた提案がクライアントからスムーズに採用されるケースは決して多くなく、ときには新たな施策や戦略を何度も練り直すなどで激務が続くこともあります。そのため、忍耐力があり心身ともにタフな人は、EYストラテジー・アンド・コンサルティングへの転職に向いていると言えます。
(3)より専門性の高いプロジェクトに携わりたい人
コンサルタントとして培ったこれまでの経験を活かして、専門性をさらに高めつつより上流のプロジェクトに携わりたいと考える人は、EYストラテジー・アンド・コンサルティングへの転職に向いています。
4. EYストラテジー・アンド・コンサルティングへの転職を成功させるために必要なスキル・経験
EYストラテジー・アンド・コンサルティングは高い年収を得られるほか、勤務制度が充実している・キャリアアップ環境が整っているなど、働く上でのさまざまな魅力があります。しかしその分、採用のハードルも高いことに注意が必要です。
ここからは、EYストラテジー・アンド・コンサルティングへの転職を成功させるために必要となるスキルや経験について、それぞれ詳しく紹介します。
4-1. コミュニケーション能力
EYストラテジー・アンド・コンサルティングで働く上で、コミュニケーション能力は必須のスキルと言っても過言ではありません。なぜなら、コンサルタント業務にはクライアントとの密な関わりが必須となるためです。
コンサルタント業務では、クライアントが抱える課題や悩みをしっかりと傾聴して意図や要望を汲み取った上で、自身の意見や提案をしっかりと伝える必要があります。どれほど質の高い戦略を策定できても、うまく伝えられなければ意味がありません。
相手が発する言葉から「何を求めているのか」を瞬時に察知できる人は、転職の成功率が高まるでしょう。
4-2. 語学力
EYストラテジー・アンド・コンサルティングが一角を占めているBIG4は、世界各国に拠点を置く巨大なコンサルティングファームです。外資系企業とのかかわりも多いため、語学力の高い人材は優先的に採用される傾向にあります。
特に、英語力の高さは採用を左右するポイントと言えます。英語に加えて、その他の国の言語も身につけている人はより重宝されるでしょう。
4-3. 情報収集能力
国内・国外を問わず大手企業をクライアントにもつEYストラテジー・アンド・コンサルティングは、社会や企業の変革の最前線に位置していると言っても過言ではありません。
特に海外の大手企業がクライアントとなる場合は、日本では極めて珍しいテーマのプロジェクトに携わることもあるでしょう。こうしたケースでも、現状を的確に理解した上で業界の最新情報やテクノロジーを収集し、先を見越したサービスを提供する必要があります。
そのため、常にアンテナを多方面に広げながら最新情報を収集する能力が必要です。
4-4. プレゼンテーション能力
EYストラテジー・アンド・コンサルティングでは、クライアントへの提案やレポートの作成において「いかに情報を分かりやすく伝えられるか」が重要視されています。そのため、プレゼンテーション能力の高さは転職を成功させるためのカギと言えるでしょう。
なお、ここで言うプレゼンテーション能力とは、単純に話せる力を指しているのではありません。相手に響くようなプレゼンテーションの構成や、相手の様子を伺いながら自身の意見を正確かつ自信をもって伝える力などを含めた総合的なスキルを指します。
4-5. 分析力
EYストラテジー・アンド・コンサルティングでは、非上場企業がクライアントとなるケースもあります。非上場企業の場合、上場企業と違ってデータが透明化されていないため、クライアントのサービス内容や財務状況などさまざまな部分からの分析が求められます。
また、分析力を高めるためにはビジネスに関する理解力や洞察力も欠かせません。各業界のトレンドやマーケティング戦略などあらゆる分野の知識を習得することで、自ずと分析力も高まるでしょう。
4-6. 特定領域の専門知識・経験
EYストラテジー・アンド・コンサルティングをはじめとした総合コンサルティングファームでは、チームや組織が「業種」「機能」の2つの軸で分けられていることが基本です。そのため、特定領域の専門知識や経験を有していることは、転職時の大きなアドバンテージとなります。
特定領域の専門知識や経験は、年齢とともに求められる傾向です。30代からは特に重視されるため、面接時は前職での経験や特定の業界に関する専門的な知識を積極的にアピールすることが大切です。
4-7. IT・デジタル分野への知識・理解
テクノロジーの発展が目覚ましい近年、ビジネスにおいてもIT・デジタル分野の重要性は増しています。IT・デジタル技術は一般企業の課題解決においても積極的に活用されており、IT・デジタル部門を置くコンサルティングファームも少なくありません。
EYストラテジー・アンド・コンサルティングでも、IT・デジタル分野の専門知識を有する人材が重宝される傾向にあります。システムやソフトウェア開発のほか、データ解析・AI活用といった「テクノロジーを駆使した戦略の立案・実行」ができる人は、転職の成功率が高まるでしょう。
4-8. コンサルティング・法人営業の経験
コンサルティング業界は、ファームの規模を問わず年々需要が増加しており、各ファームの採用人数も増加傾向にあると言われています。こうした中で、EYストラテジー・アンド・コンサルティングをはじめとした大手コンサルティングファームが経験者を優先して採用する傾向にあります。
特にコンサルティング経験のある人材は、即戦力となり得るため転職においては極めて有利となるでしょう。また、法人営業の経験者は企業経営や成長戦略に関する知識が豊富とみなされやすく、コンサルティングの経験者と同様に積極的に採用されています。
5. EYストラテジー・アンド・コンサルティングへの転職を成功させるためのポイント
最後に、転職難易度の高いEYストラテジー・アンド・コンサルティングへの転職を成功させるために、おさえておくべきポイントを2つ紹介します。
(1)転職理由と志望動機を明確にする
転職理由と志望動機を明確にすることで、「数あるコンサルティングファームの中で、なぜEYストラテジー・アンド・コンサルティングを選んだのか」「転職後はどのようなコンサルタントとして活躍したいのか」といった部分が自ずと見えてきます。これらのポイントは面接官からも問われる重要な項目でもあります。
(2)コンサルティング業界に精通した転職エージェントを利用する
転職エージェントでは、企業が求める人材の傾向や面接・書類選考対策に関するナレッジを豊富に有しています。また、求職者の経験・スキル・希望条件を踏まえたマッチ度の高い求人の紹介や、応募後の企業とのやりとりも代行してくれます。
他社と比べて難易度の高いEYストラテジー・アンド・コンサルティングへの転職を成功させるためにも、転職エージェントの徹底したサポートを受けることがおすすめです。
まとめ
EYストラテジー・アンド・コンサルティングとは、EYグループにおける日本のメンバーファームであるEY Japanの構成会社の1つです。BIG4と呼ばれる世界4大コンサルティングファームの一角を占めています。
仕事内容や平均年収は役職によって大きく異なるものの、大手コンサルティングファームということもあり、20代後半でも800万円近くの年収を目指すことが可能です。
EYストラテジー・アンド・コンサルティングへの転職を成功させるためには、働く上で必要となるスキルを身につけるほか、コンサルティング業界に精通した転職サイトを利用するとよいでしょう。