KPMGに転職して後悔する?向いている人と失敗しないための対策
KPMGコンサルティングとは、「BIG4」と呼ばれる世界4大コンサルティングファームの1つです。大手企業であり、平均年収が高く、労働環境や勤務制度も整っています。こうした魅力の多さから転職を志す方も多い一方で、「転職しても後悔しないか」と不安に思う方も少なくありません。
そこで今回は、KPMGコンサルティングへの転職で後悔した理由から、反対に転職して良かったことを紹介します。くわえて、向いている人の特徴や後悔しないための対策も説明しているので、KPMGコンサルティングへの転職を少しでも検討している人はぜひ最後までご覧ください。
1. KPMGへの転職で後悔した理由
KPMGコンサルティング(以下、KPMG)とは、会計監査・税務・経営コンサルティングの3分野でサービスを提供する総合コンサルティングファームです。世界4大総合系ファームを総称するBIG4の一角を占めており、コンサルタントとしてさらなる高みを目指す人の転職先として人気があります。
しかしその一方で、「KPMGに転職して後悔した」と考える人も少なからず存在することが実情です。そこでまずは、実際にKPMGに転職した方がなぜ後悔したのか、その理由をいくつか説明します。
1-1. 希望する案件を担当できない
キャリアアップやスキルアップを目指してKPMGに転職した人は、「KPMGならより大きな規模の案件に携われる」と考える傾向にあります。
しかし、入社してから数年はあくまでも新人とみなされるため、すぐに責任ある仕事を任されるわけではありません。前職と業務内容が変わらなかったり、むしろ案件規模が縮小したりする可能性もあります。
また、KPMGに限らず総合コンサルティングファームでは、役職が低いうちは上流工程に携われることは少なく、開発・テスト工程のPMOが多い傾向です。成果を上げて良い評価を受けたとしても、積極的に声を上げなければ希望する案件を担当できないケースもあります。
転職後に携わりたい業務が明確に定まっている人であれば、こうした状況で後悔の念に駆られやすくなるでしょう。
1-2. 想像以上に自主性が求められる
KPMGは、2014年に設立された比較的新しいコンサルティングファームです。BIG4の一角を占めているとは言え、ほかのファームと比べて規模も小さく、ベンチャー的な気質があることも特徴となっています。
仕事の進め方は意外に個人の裁量が大きく、それぞれのペースで仕事を進められる反面、メンバー一人ひとりに会社の制度・風土をつくりあげていくという気概が求められます。明確なマニュアルなどはしっかりと整備されておらず、手探りで自発的に動かなければならないケースも多々あるでしょう。
「大企業だからこそ厳格なルールや制度が定められていると思っていたのに、実際は想像以上に自主性が求められた」「自発的に動くほかの社員についていけない」と考え、転職後に後悔してしまう人も少なからず存在します。
1-3. 激務で自分の時間を確保できない
コンサルティング業界において、クライアントへの重要な報告や新たな提案といった段階は「プロジェクトの山場」と言われています。プロジェクトの山場では、納期内にあらゆる作業を済ませる必要があるためどうしても激務続きとなってしまいます。状況によっては、残業が続くこともあるでしょう。
KPMGは働き方改革に注力しており、労働時間も全体的に減少傾向にありますが、残業が全くないわけではありません。
特にKPMGは「あずさ監査法人」がグループにいることから、申請業務や研修など実務以外の活動で拘束されるケースも多くなっています。激務や残業、さらに実務以外の拘束が続くと、「転職しなければ良かった」と後悔の念に駆られやすくなります。
2. KPMGに転職して良かったことは?
KPMGへの転職で後悔をした人は少なからず存在します。しかし、さまざまな国や業界・業種、規模のクライアント企業とかかわりを持てるKPMGにはやりがいや魅力も多く、たとえ後悔はあっても「転職して良かったこともたくさんある」と考える人は複数います。
実際にKPMGに転職した人による「良かった点」を、下記にまとめました。
- 心地の良いオープンでフレンドリーな社風
「社員の柔軟な連携がクライアントへ提供する価値の最大化につながる」と考えているKPMGでは、さまざまな分野のスペシャリストがお互いをリスペクトし合う意識と、オープンなコミュニケーションを大切にする社風が強く根付いています。
業務を進めるにあたって何らかの壁にぶつかったときも、部署・部門・チームの違いに関係なく誰かが手を差し伸べてくれるというフレンドリーな風土に、愛着や心地良さを感じる社員も多くいます。 - あらゆる能力が身につく刺激的な研修制度
KPMGでは、「設立から年数の浅い会社だからこそ若手を大切に育てたい」という考えのもと、新人社員・若手社員を対象とした多種多様な研修制度を導入しています。
有意義な研修を通して、実務に関するスキルや目標達成に向けて周りのメンバーを巻き込む力など、成長につながるさまざまな能力が身についた新人社員・若手社員も多く存在します。中には、こうした研修制度が転職の決め手の1つになったという人もいます。
3. 転職後に後悔しない?KPMGが向いている人
KPMGへの転職に対してできる限り後悔しないようにするためには、あらかじめ自分がKPMGに向いているかどうかを検討することが大切です。
ここからは、KPMGでの職務に向いている人の特徴を3つ紹介します。
3-1. 考え続けることが好きな人
KPMGでは、コンサル経験や専門性の高い技術・スキルの有無よりも「考える力」を重要視しています。
コンサルタントは、日々さまざまなクライアントの課題解決と向き合う中で「答えのない問い」が多く発生します。誰もが認める100点満点を目指して挑み、自分が想定する100点満点の結果に到達できなかったからと言って考えることを諦めてしまう人は、コンサルタントには向いていないと考えられます。
答えのない問いだからこそ積極的に挑戦し、たとえ20点程度の結果であっても、その20点を積み上げて100点に近づけるためにはどうしたら良いのかを考え続けられる人、むしろこうした知的活動が好きな人は、KPMGで重宝される人材となるでしょう。
3-2. 知的好奇心が旺盛な人
KPMGでは、コンサルタントの仕事を「知的活動によってクライアントを喜ばせるサービス業」と考えています。知的活動の前提にあるのは知的好奇心で、知的好奇心が旺盛な人ほどクライアントに喜ばれる戦略を提案できます。
また、コンサルティングは、単純にクライアントから受けた相談だけに対してサービスを提供するのではなく、クライアントがまだ気づけていない課題を見つけて解決策を考えることも大切な仕事です。水面下に潜む複雑な課題に気づけるような、知的好奇心が旺盛な人・洞察力の高い人は、KPMGにおいてより重宝されるでしょう。
3-3. 自分で意思決定ができる人
KPMGでは、コンサルタントとして大きく成長する機会を「自らの責任領域が増えること」と考えています。前述の通り、KPMGは社員の自発的な行動を推進しています。
一般的な企業・組織では、上司から指示されていない業務をすると怒られるケースも少なくありません。しかし、KPMGは「上司の指示がなくても自ら考え意思決定ができる社員」を成長意欲の高い人材とみなしているため、むしろ評価対象となります。
また、KPMGは柔軟性が高いほどコンサルタントとしての思考力も身につくと考えています。狭い視野や先入観にとらわれず、状況を見ながら適宜適切な行動を自発的にとれる人は、より適性があると言えます。
4. KPMGへの転職で後悔しないための対策
KPMGへの就職・転職で後悔や失敗を防ぐためには、下記の対策を講じておきましょう。
- 入念な下調べ
KPMGへの転職で後悔する根本的な要因としては、「入社後のイメージを正しくできていなかった」が挙げられます。ミスマッチを感じて後悔しないためにも、応募前には業務内容・社風・労働環境・人事評価制度などの点において入念な転職リサーチを行っておきましょう。 - 書類対策・面接対策
KPMGへの転職の成功率を高めるには、書類対策・面接対策が最も重要と言っても過言ではありません。BIG4の一角を占めるKPMGはオンラインケース面接といったユニークな選考も導入しており、転職難易度は非常に高いことが特徴です。本番で圧倒され萎縮してしまわないためにも、あらかじめ書類対策・面接対策を行い、しっかりと準備しておきましょう。
入念な下調べや書類対策・面接対策は採用率を高める重要なポイントではあるものの、必要な情報をネット上だけで収集するのは困難です。転職活動を始めようと考えたときは、コンサル業界に精通した転職エージェントの利用をおすすめします。
まとめ
KPMGは、コンサルタントとしてさらなる高みを目指す人の転職先として人気です。しかし、中には希望する案件をなかなか担当できないといった理由で「後悔した」と考える人も少なからず存在します。
とは言え、KPMGには魅力や働く上でのやりがいも多く、コンサルタントとして大きな成長を遂げるには絶好の職場と言っても過言ではありません。特に、考え続けることが好きな人や知的好奇心が旺盛な人、自分で意思決定ができる人は、後悔なく前向きに働き続けられるでしょう。
KPMGへのコンサル転職を成功させるためには、転職サイトをただ眺めるだけではなく転職エージェントも利用して、面接対策・選考対策をはじめとした手厚い転職支援を受けるのも1つの手です。