【PwCコンサルティング】中途採用の面接対策!質問例と回答例
PwCコンサルティングは、世界最大級のプロフェッショナルサービスファームであるプライスウォーターハウスクーパース(PwC)の日本グループに属するコンサルティングファームです。戦略策定から実行支援まで、総合的なコンサルティングサービスを提供しており、幅広い業界や分野で多数の実績を誇ります。
世界トップクラスのコンサルティングファームであることから、PwCコンサルティングへ転職したいと考えている方もいるのではないでしょうか。当記事では、PwCコンサルティングの中途採用の実態について詳しく解説します。
1. PwCコンサルティングとは?
PwCコンサルティングとは、一般的には「PwCコンサルティング合同会社」のことを指します。PwCコンサルティング合同会社は、PwC Japanグループに属する総合系の経営コンサルティング会社です。PwC Japanグループは、世界最大級のプロフェッショナルサービスファームであるPwC(PricewaterhouseCoopers)の一員です。PwCは、世界の4大会計事務所の1つとして知られています。
PwCコンサルティング合同会社は、クライアントの成長と発展を支援するため、ストラテジーコンサルティング、エンタープライズトランスフォーメーションコンサルティング、ビジネストランスフォーメーションコンサルティングなど、幅広いコンサルティングサービスを提供しています。
1-1. PwCコンサルティングの求める人物像
PwCコンサルティングの求める人物像は、職種によって異なります。コンサルタント職では、以下のような特徴が挙げられます。
- 戦略案件に集中し、少数精鋭の環境で成長したい人
- 自らの考えを生かし、CXOアジェンダに積極的に関与したい人
- 立案した戦略の実行とその成果を見届けたい人
- クライアントのビジネスパートナーとして企業変革をともに達成したい人
- コンサルティングスキルを身に付け、企業や社会に価値を提供したい人
- 最先端のデジタル技術を社会課題解決に応用したい人
中途採用やマネジメントポジションの場合は、以下のようなスキルも求められる傾向です。
- マネジメント経験を持ち、チームをリードできる
- クライアントリレーションと提案能力を持ち合わせている
- コンサルティング経験が3~5年以上あり、特定の業界のコンサルティング経験や戦略策定・M&Aに関する経験などがある
- 業界向けの戦略策定やデューデリジェンス、PMIなどの経験がある
- クロスボーダー事業に関わった経験がある
上記はあくまで一例です。職種やポジションによって求める人物像やスキルセットは異なるので、興味のある求人を実際に確認してみてください。
2. PwCコンサルティングの中途採用の選考フロー
PwCコンサルティングの中途採用における一般的な選考フローは下記の通りです。
1 | 応募 |
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PwCコンサルティングの公式ホームページや転職エージェントを通じて応募します。履歴書・職務履歴書の提出が必要です。 | |
2 | 書類選考 |
提出された書類に基づいて、PwCコンサルティングが候補者の経歴やスキルセットを評価し、選考を進めるかどうかを決定します。 | |
3 | 面接(複数回) |
初回は人事面接がほとんどです。2次面接は現場のマネージャーなどが面接官を担当することが多く、専門的な知識やスキルを評価するほか、ケース面接が行われる可能性もあります。職種によってはWebテストを行います。 | |
4 | 最終面接 |
部門の上級管理職や役員が面接官となるケースが多く、候補者の専門性やチームへのフィット感、ビジョンと価値観が組織の目指す方向と合致しているかなどを確認します。 | |
5 | リファレンスチェック |
以前の職場での実績や人物評価を確認するために、リファレンスチェックが行われる場合もあります。 | |
6 | 内定 |
採用条件が提示されます。業務内容や待遇について合意が形成されれば、正式に採用となります。 |
上記はあくまで一般的な例であり、面接回数やリファレンスチェックの有無などは職種によって異なります。
3. 【PwCコンサルティング中途採用】面接の質問例と回答のポイント
続いて、PwCコンサルティングの中途採用における、面接の質問例と回答のポイントを紹介します。基本的には、応募者のエピソードを深掘りする質問が多くなっています。ここでは、一般的な面接でも聞かれるような基礎的な質問を取り上げます。
3-1. 自己紹介をお願いします
面接の緊張を和らげ、リラックスした雰囲気で会話を始めるためのアイスブレイクのような質問です。自分の経歴や強みを簡潔かつ論理的に伝えられるのか確認するという目的もあります。
<回答のポイント>
自己紹介は1分程度で話せるように簡潔にまとめることが重要です。ダラダラと長話にならないように注意しましょう。また、中途採用ではこれまでの職務経験が重視されます。職務経歴書の内容を踏まえ、実績やスキルを簡単にアピールしましょう。
自己紹介の最後にPwCコンサルティングの志望動機について簡単に触れるのも一案です。企業研究をしっかり行い、具体的な志望動機を語ることは、熱意のアピールになります。自己紹介は最初の質問となることが多いので、表情や声のトーンにも気を配り、ポジティブな印象を与えることが重要です。
3-2. なぜコンサル業界への転職を希望していますか?
数ある業界の中からなぜコンサルティング業界を選んだのか、その理由を確認するために聞かれる質問です。コンサルティング業界やPwCコンサルティングの事業内容、特徴などを理解した上で転職を希望しているかを確認しています。業界研究や企業研究の度合いを把握することで、入社後のミスマッチを防ぐ狙いもあります。基本的には、異業種から転職する場合に聞かれることが多い質問です。
<回答のポイント>
漠然と「成長したい」「社会貢献したい」と言うのではなく、コンサルティング業界のどのような点に魅力を感じ、なぜこの業界で働きたいのかを具体的に説明しましょう。また、PwCコンサルティングの特徴や強みに触れ、なぜ他のコンサルティングファームではなくPwCを選んだのかを分かりやすく伝えることも重要です。
これまでの職務経験やスキルの中で、コンサルタントとして生かせる点を具体的に説明しましょう。特に、PwCコンサルティングが求めるスキルや経験と合致する点をアピールすることで、入社後の活躍を期待させることができます。
3-3. PwCコンサルティングへの入社後のキャリアパスは?
応募者が自身のキャリアについて真剣に考え、明確なビジョンを持っているかを聞き出すための質問です。PwCコンサルティングでどのように成長し、貢献したいと考えているかを確認します。また、PwCコンサルティングで長期的にキャリアを築く意欲の有無を見極める意図もあります。
<回答のポイント>
まずは、PwCコンサルティングのウェブサイトや社員の話を参考に、同社のキャリアパスについて理解を深めましょう。PwCコンサルティングには、マネージャー・シニアマネージャー・ディレクター・パートナーという役職だけでなく、各専門分野におけるスペシャリストとしてのキャリアパスも存在します。
また、短期的な目標だけでなく、中長期的なキャリアビジョンにも触れましょう。PwCコンサルティングで長く活躍したいという意欲を示すことで、会社への貢献意欲をアピールできます。その際、自身のキャリアプランだけでなく、PwCコンサルティングへの貢献を意識することが大切です。自身のスキルや経験を生かし、どのようにPwCコンサルティングの成長に貢献できるのかを具体的に説明することで、面接官に好印象を与えられるでしょう。
3-4. 自身の強みと弱みを教えてください
応募者が自身の強みと弱みを客観的に把握し、分析できているかを評価するための質問です。弱みを自覚し、改善に向けて努力する姿勢を持っているかについても確認します。
<回答のポイント>
強みについては、問題解決能力・コミュニケーション能力・論理的思考力・リーダーシップなど、コンサルタントとして生かせる強みを挙げましょう。各業界に特化したコンサルタント職の面接を受ける場合は、その業界における過去の職務経験やプロジェクトの実績などを具体的に説明しましょう。その業界に関する知識や経験を持つことを裏付けるエピソードがあれば、回答に説得力が増します。また、PwCコンサルティングが求める人物像や価値観と自身の強みが合致している点も伝えられると好印象です。
自身の弱みは隠さずに正直に伝えることが重要なので、ネガティブな印象を与えないようにポジティブな言葉で表現しましょう。「弱みを克服するためにどのような努力をしているのか」「今後どのような取り組みをしたいのか」を説明することで、成長意欲をアピールできます。
3-5. 前職の退職理由を教えてください
応募者がなぜ前職を離れ、PwCコンサルティングへの転職を希望するのか、その背景や動機を理解するための質問です。応募者の価値観やキャリアビジョンが、PwCコンサルティングの社風や業務内容と合っているか確認することで、入社後のミスマッチを防ぐ目的もあります。前職でのトラブルや人間関係の問題など、退職理由がネガティブではないかチェックする意図も含まれます。
<回答のポイント>
前職への不満や批判は避け、ポジティブな言葉で退職理由を説明しましょう。「キャリアアップを目指したい」「新しい環境で挑戦したい」「スキルアップしたい」など、前向きな理由を具体的に述べることで、意欲的な印象を与えられます。
また、ただ退職理由を説明するだけでなく、PwCコンサルティングへの志望動機と関連づけることで、一貫性のあるストーリーを伝えられます。前職でのトラブルや人間関係の問題など、ネガティブな理由で退職した場合でも事情によっては正直に伝えることも戦略の1つです。もちろん、あまりにネガティブな情報は必要以上に詳しく話す必要はありません。
3-6. 希望年収はどれくらいですか?
企業側が提示できる年収の範囲と、応募者の希望年収が合致しているかを確認するための質問です。希望年収が高いほど、求められるスキルセットや経験値も高くなります。応募者が自身のスキルや経験に見合った年収を理解しているか、また金銭面でのモチベーションがどの程度かを把握する意図もあります。
<回答のポイント>
自身のスキルや経験、市場価値などを考慮し、希望年収の範囲を事前に考えておきましょう。金額の根拠も説明できるように準備しておくと説得力が増します。
ただし、あまりに高すぎる希望年収を提示すると企業の印象を損なう、反対に低すぎる希望年収を提示すると自分のスキルに自信がないと思われる恐れがあります。そのため、前職の年収・スキル・経験・市場価値などを参考に、納得感のある金額を提示することが大切です。
4. 【PwCコンサルティング中途採用】フェルミ推定・ケース面接とは?
PwCコンサルティングの中途採用面接では、選考プロセスの一環としてフェルミ推定とケース面接が行われる可能性があります。フェルミ推定やケース面接は、論理的思考力・問題解決能力・コミュニケーション能力などを評価することが目的です。
フェルミ推定 | |
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概要 | あらかじめ答えが分からない問題に対して、論理的思考と限られた情報から概算を出すことを求められます。 |
回答のポイント | 正確な答えを出すことよりも、論理的な思考プロセスと、仮説を立てて検証する能力が重要視されます。そのため、回答の根拠となる情報を示し、計算過程を分かりやすく説明しましょう。仮説が間違っていた場合でも柔軟に対応し、修正する姿勢を見せることが大切です。 |
ケース面接 | |
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概要 | 企業が抱える経営課題やビジネス上の問題に対して、コンサルタントとして解決策を提案することを求められます。 |
回答のポイント | 問題の本質を捉え、論理的に分析する能力が重要視されます。MECEやロジックツリーなど、課題解決のためのフレームワークを活用し、構造的に問題を整理しましょう。実現可能性や費用対効果なども考慮し、根拠を明確にしながら、具体的な解決策を提案することが大切です。 |
4-1. PwCコンサルティングのフェルミ推定・ケース面接の質問例
フェルミ推定の質問例は、下記の通りです。
- 日本国内の自動販売機の数は何台か?
- 日本の年間のペットボトル消費量は何本か?
- 東京都内にある信号機の数はいくつか?
- 日本の年間の紅茶の消費量はいくらか?
- 日本の鍼灸院の市場規模はいくらか?
- 世界中で1日に消費されるピザの枚数は何枚か?
ケース面接の質問例は、下記の通りです。
- コンビニチェーンの売上低迷の原因を分析し、改善策を提案せよ。
- 新規参入する小売市場で、シェア10%を獲得するための戦略を立案せよ。
- ある地域における交通網整備のための施策を提案せよ。
- 製造業の工場で、生産性が低下している。原因を特定し、改善策を提案せよ。
- 飲食チェーンの海外進出戦略を立案せよ。
- ECサイトの売上を向上させるための施策を提案せよ。
上記の質問はあくまで例であり、実際にはさまざまなバリエーションがあります。
5. PwCコンサルティングの中途採用面接の難易度
PwCコンサルティングの中途採用は、狭き門ではありますが、コンサル未経験でも採用される可能性はあります。しかし、転職難易度としては決して低いとは言えず、相応の準備と対策が必須です。
PwCコンサルティングは、世界トップクラスのプロフェッショナルファームとして高い選考基準を設けています。また、人気企業であるため、中途採用の競争率も非常に高くなっています。優秀な人材が集まる中で選考を突破するには、他の応募者と差別化できる独自の強みが問われるでしょう。
ポジションによっては、特定の業界や分野に関する知識・経験が求められます。したがって、未経験の場合はポテンシャルに加えて、早期にキャッチアップできる学習意欲や適応能力も重視されるでしょう。
6. PwCコンサルティングへの転職が向いている人
PwCコンサルティングへの転職が向いている人の特徴は、主に下記の通りです。
・自己変革を続ける意欲がある人
PwCコンサルティングでは、環境の大きな変化に応じて自身も進化し続けることが求められます。変化に対して柔軟に対応し、常に自己改善を図る姿勢を持つ人が向いています。
・協力して成果を出せる人
PwCコンサルティングは、多様なバックグラウンドや専門性を持つプロフェッショナルの集団です。お互いの能力を生かしながら協力して作業を進められる人は、PwCコンサルティングの一員として成果を出せるでしょう。
・クライアントの本質的価値を追求できる人
「クライアントのためになる本質的な部分は何か」という問いに対して、自らの信念を持って粘り強く答えを導き出せる人が求められます。本質的な価値を見極め、それをもとに戦略を立てる能力は、コンサルタントとして非常に重要です。
上記すべてを満たしているからといって、必ず採用されるわけではありません。しかし、これらの特徴を持っている人であれば、PwCコンサルティングで活躍できる可能性は大いにあるでしょう。
まとめ
PwCコンサルティングでは、「クライアントと信頼を構築し、ゆるぎない成果を実現すること」を大切にしています。そのため、クライアントの課題解決に真摯に向き合い、貢献したいという強い思いを持っている人が向いています。
特定の業界や分野における専門知識はもちろん、幅広い知識や経験を持っていれば、大きな強みになります。また、チームワークを重視し、共に高め合う関係を築ける人も、PwCコンサルティングで活躍しやすいでしょう。
PwCコンサルティングの中途面接は決して難易度が低いと言えないため、必要な面接対策を講じた上で臨むことが大切です。当記事を参考に、フェルミ推定やケース面接に対応できるように準備しておきましょう。